私たちの理念と矜持

[ 編集者:シーライヴ株式会社    2015年11月27日    更新 ]

創業20年と新たなスローガン

 おかげさまで、2017年、シーライヴ株式会社は創業20年を迎えます。これもひとえに、お客さまをはじめ、取引した皆さま方、当社の従業員、そしてインターネットやITを利用してくださる世界中の人々の恩恵であると感謝いたします。

moderately & sustainable

 これを機に、当社の新たな方向性を示すスローガンを策定しました。

 このスローガンの意図するところは、高度経済成長時代のようにただひたすらがむしゃらに仕事をする、あるいは、100%を目指して疲弊するのではなく、全体的に適度に、ほどよい程度を最良として、22世紀にも通じるヒューマニズムと持続可能性を維持・発展させることを目標に掲げています。


 さらに、私たちの理念と矜持について説明を続けます。

古代ギリシャ、江戸時代、そして現代

“I know nothing except the fact of my ignorance.”
 これは「無知の知」で知られる古代ギリシャの哲学者ソクラテス(紀元前4世紀頃)の言葉です。彼は「私は自分が無知であるという事実以外に何も知りません」と言っています。


 現在、私たちは高度に情報化された世界で暮らし、時代はスマートフォン・AI(人工知能)やクラウド・サービスなどが花盛りで、さらに高度化・グローバル化していく様相です。


 いまの私たちがソクラテスと語り合えば、彼は何を思い、何というのでしょうか。現代科学、現代社会、そしていまのITシーンは、彼に驚きを与えるとともに、一方で新たな哲学上の思索をもたらすかもしれません。


 すでに宇宙空間にまでおよんでいる科学技術の水準は、私たちに一種の優越感や思い過ごし、万能感を生み出しているのかもしれません。


 「江戸時代よりも現代のほうが進歩している」というイメージは、確かにそうである反面、姫路城や風神雷神図、歌舞伎や文楽に触れたとき、そのイメージは感嘆と畏敬の念によって、いとも簡単に覆されてしまいます。


 いまのITシーンにおいてもこうした感覚がきわめて大切なのではないか、当社はそう考えています。「IT化がすべて」ではなく、あくまで「きかっけ」であると。


 情報は存在するだけではただのデータです。しかし、そこにかけがえのない価値を見い出すこともできます。それはすなわち私たち人間のなせる業です。


 ITは万能ではない、人間は失敗も犯す、しかし、それでも人間は生きて前進していく、その手助けのひとつがITサービスであると考えます。

IT・インターネットは手段、目的は私たちの中に

 “彼を知り己を知れば百戦殆うからず。彼を知らずして己を知るは一勝一負す。彼を知らず己を知らざれば戦う毎に殆うし。”


 これは、中国春秋時代の思想家孫武(紀元前5世紀頃)の著作とされる兵法書「孫子」の一節です。彼は「相手のことをよく知り、自分のこともよく知っていれば、戦いに恐れはない。相手のことはよく知らないが、自分のことをよく知っている場合は、勝負は五分五分である。相手のことも、自分のことも知らない場合は、連敗は必定」と語っています。


 19世紀はじめのプロシアの将軍・クラウゼビッツは、その著書『戦争論』の中で、「戦争はあくまで手段であり、目的は政治的な諸関係・・・手段は決して目的を離れてはいけない」と述べています。


 これらは、いずれも私たちに戦略の要諦を示してくれています。消費者やお客さまのことを知らずして、あるいは、手段に埋没してしまい目的を忘却してしまう、高度に情報化され、スピードとグローバル化が盛んないま、当社はこの視点を意識し続けたいと思います。


 当社は、ITが手段であり目的ではないこと、そして、その目的を定め前進していくのはあくまで人間であること、その人間はときに失敗もすることをいつも心にとめて、仕事にあたります。


 「現代が万能である」と思い過ごさず、失敗を冷静に語れることこそが、人にとっての最大の成功であると考えます。同様に、それを無理せず、楽しみながら持続していくことに意義があると考えます。


 次の半世紀、1世紀に向けて、当社はさらに歩みを続けます。これからも、また多くのお客さま・取引先・インターネット利用者と出会えることを期待し、楽しみにしています。