特集記事「クラウド・サービスの社会への浸透」

[ 編集者:シーライヴ株式会社    2015年11月20日    更新 ]

3割以上の企業がクラウドサービスを利用。理由は「保守体制を持つ必要がないため」。

クラウドサービスを利用している企業の割合は平成24年末の28.2%から33.1%に上昇。【図1】

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国内におけるクラウドサービスの利用状況【図1】

国内におけるクラウドサービスの利用状況【図1】



 一部でもクラウドサービスを利用していると回答した企業の割合は33.1%であり、平成24年末の28.2%から4.9ポイント上昇している。

 資本金規模別に利用状況をみると、資本金50億円以上企業では5割を超えている。

クラウドサービスの導入理由は「資産、保守体制を社内に持つ必要がないから」が38.8%と最も高い。【図2】

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クラウドサービスの利用状況(産業別及び資本金規模別)【図2】

クラウドサービスの利用状況(産業別及び資本金規模別)【図2】



 クラウドサービスの利用理由をみると、「資産、保守体制を社内に持つ必要がないから」が38.8%と最も高く、次いで「初期導入コストが安価だったから」(36.9%)、「どこでもサービスを利用できるから」(35.1%)となっており、主に機能面及びコスト面からの理由が挙げられている。

<出典>[2014年7月15日 総務省 平成26年版 情報通信白書]
     http://www.soumu.go.jp/johotsusintokei/whitepaper/ja/h26/pdf/n5400000.pdf

*「情報通信白書」とは…情報通信の現況及び情報通信の政策の動向について、国民の理解を得ることを目的として、総務省が昭和48年から毎年作成しており、平成26年で42回目となる。

8割が新規システム構築時にクラウドを検討、国内クラウド市場は2015年度に1兆円へ成長

2013年度の国内クラウド市場は6,257億円、2015年度に1兆円を超える。【図3】

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国内クラウドサービス市場規模 実績・予測【図3】

国内クラウドサービス市場規模 実績・予測【図3】



 2013年度におけるクラウド市場全体は前年度比22.6%増の6,257億円となった。2018年度までの年平均成長率は23.6%で、2015年度には1兆円を超え、2018年度には2013年度比2.9倍の1兆8,081億円に達すると予測する。

 クラウドサービス提供事業者間の競争は激しさを増し、著しい速度で低価格化と機能の進化が同時に起こっている。データセンターへの投資を含め、スケールメリットを活かしたグローバルベンダーの存在感が増してきており、追随する国内ベンダーは価格や機能、利便性などの面で一層の差別化が必至となっている。

8割の企業が新規システムの構築時にクラウドを検討、クラウドファーストの浸透が顕著に。【図4】

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新規システムの構築方法【図4】

新規システムの構築方法【図4】



 クラウドサービスの急成長の背景には、国内の法人ユーザーの意識の変化がある。新規システム構築時にクラウドの活用検討する法人ユーザーは、2013年調査時の69.1%から78.1%へ9ポイント増加し、「クラウドファースト」が浸透してきていることが鮮明になった。

 クラウドのメリットを積極的に勘案してクラウド側へシステムを移行していく企業が増加すると推測される。

<出典>[2014年11月4日 株式会社 MM総研]
     http://www.m2ri.jp/newsreleases/main.php?id=010120141104500

*「MM総研」とは…日本のIT市場専門のリサーチ・コンサルティング企業。

クラウド・コンピューティングに関する調査結果を発表。

2015年、日本のクラウド・コンピューティングの採用率は16%に上昇。【図5】

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日本におけるクラウド・コンピューティングの採用状況【図5】

日本におけるクラウド・コンピューティングの採用状況【図5】



 2015年に入って急速に高まっている状況がうかがえます。「クラウド・ファースト」という言葉も浸透し、『クラウドを採用しない』という選択をしにくくなっている企業が増えていることの表れといえます。

クラウドIaaSの稼働率について、40%以上が「99.999%」でなくてもよいと回答。【図6】

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日本の企業がクラウドIaaSに期待する稼働率【図6】

日本の企業がクラウドIaaSに期待する稼働率【図6】



 多くのクラウドIaaSが提示するサービス・レベル合意 (SLA)は99.95%であり、これは絶対に止まらないことを保障するものではありません。日本では、業務システムは絶対に止まってはならないという暗黙の認識が根付いており、クラウド導入のハードルを上げている側面がありましたが、今回の調査の結果、多くのユーザーが、クラウドの実態に即した考え方を持っていることが明らかになりました。

<出典>[2015年4月28日 ガートナー ジャパン株式会社 広報室]
     http://www.gartner.co.jp/press/html/pr20150428-01.html

*「ガートナー」とは…米国に本拠地を置くIT分野の調査・助言を行う企業。顧客には大手企業や政府機関が名を連ねており、IT系企業や投資組合なども多い。

*「 IaaS 」とは…“Infrastructure as a Service ”の略、コンピュータシステムを構築および稼動させるための基盤(インフラ)そのもののサービスのこと。

*「稼働率」とは…コンピューターやネットワークなどのシステムが、ある一定期間の中で正常に稼働している時間の割合。故障や保守によって停止している時間を除いた割合を指す。

*「 SLA 」とは…“Service Level Agreement ”の略、通信サービスやコンピュータ・アプリケーション・サービスなどにおいて、サービスの提供者とその利用者との間に結ばれるサービス水準に関する合意である。